エクストリームE 2023 第1戦 DESERT X-Prix ハイライト
エクストリームEは、2023年シーズンの開幕戦としてサウジアラビアのネオムでレースを行った。
2023年シーズンもサウジアラビアのデザートX-Prixから始まる。
開幕戦は各チームの戦闘力が未知数であり、予選から予測困難なレースが展開された。
開催地となるサウジアラビアのネオムは、タブーク州に位置しており、紅海に面したサウジアラビア北西部の地域で、現在建設中の計画都市が世界的にも注目されている。
ネオムで行われている都市計画はスマートシティ技術を導入し、観光地としての機能も持たせる計画である。
この場所には長いビーチや渓谷、そして砂漠などの多様な地形があり、非常にユニークなコンディションとなる。
ネオムは温帯気候であるが、紅海からの涼しい風の影響で、周辺地域よりも平均10℃ほど低い気温を生み出す。
周辺には、標高2,500mに達する山々や、450km以上の海岸線と壮大な島々からなる紅海を見渡すことができる。
他のシリーズとは違う特殊なレースフォーマットを採用しているエクストリームEは、今シーズンから2レース制となり、土曜日と日曜日にそれぞれレースを行う。
各チームは5台での予選レースを異なる組み合わせで2レース戦い、順位によって付与されるポイントの合計でファイナル進出を目指す。
昨シーズンとは違い、単走や3台でのレースがなくなったため、混戦を抜け出すための序盤のレース運びが非常に重要となる。
また、定められた区間で最速タイムを記録したマシンには5ポイントのチャンピオンシップポイントが付与される。
リデンプションレース
6位以下の順位を決めるリデンプションレースには、アンドレッティ、JBXE、ABT、マクラーレン、カールコックスが並んだ。
スタート後の最初のコーナーでマクラーレンが先頭を取り、3番手で通過したJBXEがハイパードライブを使用して2番手へ浮上する。
後続もハイパードライブを使用して接近してくるが、ABTとカール・コックスが接触し、その反動でアンドレッティとカールコックスが接触する。
アンドレッティは接触の衝撃でマシンコントロールを失い、柔らかい砂によって横転してしまう。
これでアンドレッティは早々にレースを終えることになった。
上位争いではABTが2番手に浮上し、海岸線の長いストレートでトップのマクラーレンに接近してバトルを展開する。
しかし、右の高速コーナーでインサイドを走っていたABTは、コース脇の地面の凹凸に右サイドのタイヤを乗せてしまい転倒する。
すぐ横を走っていたマクラーレンはABTのマシンと接触し、押し退けながらコースに復帰した。
このアクシデントでタイムロスをしたマクラーレンをJBXEがオーバーテイクしトップに立つ。
その後、赤旗が提示されてレースは一時中断となる。
マシンの撤去作業が完了後、残った3台でレースが再開されるが、スタート直後にトップのJBXEにトラブルが発生する。
マシンパワーが出ず、ターン1後にマクラーレンに抜かれ、カールコックスもすぐに抜いていった。
結局、JBXEはその後はマシンを走らせることができなくなりリタイヤとなってしまった。
リデンプションレースはマクラーレンがトップでチェッカーを受け、2番手にカールコックスが入り、完走は2台だけとなった。
グランドファイナル
優勝者を決めるファイナルステージには、X44、RXR、サインツXE、ベローチェ、チップガナッシが並んだ。
スタート後にハイパードライブを使用してターン1を先頭で回ったのはサインツXEだった。
しかし、その後のストレートでハイパードライブを温存していたマシンが一気に加速し、トップを奪ったのはRXRとなり、2番手にはベローチェが来た。
1周目は各車接近した状態で走り、トップのRXRはベローチェからのプレッシャーを受け続けた。
2周目に入る直前、5番手を走行していたチップガナッシが、砂煙による視界不良でコースオフし、コースへ復帰しようと修正した時に横転してしまう。
トップのRXRは2周目も順位を守り、ピットでのドライバー交代を行う。
ドライバー交代後もRXRとベローチェのバトルは続き、両車は一定の距離でレースを続けた。
RXRが徐々にベローチェとのタイム差を広げていき、最終的には8秒差でトップチェッカーを受けた。
しかし、レース後の審議によって、RXRがイエローセクターで速度超過を起こしていたことが発覚し、ペナルティーを受けることになった。
これにより、ベローチェが繰り上げで優勝となり、サインツXEが2位、RXRは3位となった。
ベローチェはエクストリームEで初優勝を獲得し、今シーズンのチャンピオンシップタイトル獲得に向けて最高のスタートを切った。
関係者コメント
ベローチェのケビン・ハンセンは次のように語った。
「最高の気分です。またサウジアラビアに戻り、この新しいチームでモリーと一緒にエクストリームE初優勝を飾れたことは、とても素晴らしいことです。このチームのエンジニアやメカニックがやっている仕事をとても信頼しているので、クルマに乗るときはとても安心できます。私たちは、自分たちが運転するマシンを信じて走っていますし、それが今回の結果にもつながっていると思います」
ベローチェのモリー・テイラーは次のように語った。
「ベローチェ・レーシングのチームメンバー全員が、最初のイベントから開発し、改善することができたと思います。本当に良いレベルでシーズンをスタートすることができました。このチームは、あらゆる側面から見てもベストを尽くしてくれるチームの一つです」
出典：https://youtu.be/q4nAoLGO8Z0
