エクストリームE 2021 第2戦 セネガル Ocean X Prix

エクストリームE 2021 第2戦 セネガル Ocean X Prix

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セネガルで開催されたエクストリームEの第2戦は、サウジアラビアとは一風変わったオフロードレースとなった。

LAC ROSE, SENEGAL - MAY 29: Cristina Gutierrez (ESP)/Sebastien Loeb (FRA), X44 during the Ocean X-Prix at Lac Rose on May 29, 2021 in Lac Rose, Senegal. (Photo by Sam Bloxham / LAT Images)

エクストリームEの第2戦は、アフリカ大陸の西側に位置するセネガルのダカール周辺がレース会場となった。
開幕戦のサウジアラビアは砂漠地帯でのレースとなったが、今回は砂浜が舞台となる。
一見近いコースコンディションに思われるが、実際は大きく異なるコンディションである。
路面を覆う砂は、砂漠とは一味違う性質を持ち、コースの起伏はサウジアラビアの砂漠と比べると小刻みとなっている。
アップダウンが非常に多いが、それぞれが急斜面を持っているためマシンへのダメージが大きくなりやすい。
特にセクション中盤から後半にかけての高速エリアではギャップをスムーズに抜けることが重要になってくる。

他のシリーズとは違う特殊なレースフォーマットを採用しているエクストリームEは、土曜日の予選タイムトライアルと日曜日のレースでチャンピオンシップポイントをかけて争う。
タイムトライアル、レース共にドライバー交代を1度行い、男女のペアが同じコースを1周ずつ走り、その合計タイムで争われる。

予選はタイムトライアル方式で2回に分けて行われた。

予選のアクション

予選1回目は10分47秒台を出してX44のローブ/グティエレス組がトップタイムを記録した。
優勝候補のRXR(クリストファーソン/テイラー)やABT(エクストローム/クラインシュミット)を10秒以上突き放す好タイムだった。
次にスタートした最もアグレッシブなドライビングが期待されるチップガナッシ(ルデュック/プライス)も好タイムを記録し、X44から遅れること僅か4秒で2番手タイムを記録した。
また、タイム計測が別で行われるスーパーセクターエリアでは最速タイムを記録して見せた。
ハイライトでは予選1回目が短くまとめられているが、間違いなく最も盛り上げてくれたタイムトライアルだった。(予選セッションフル動画

予選2回目も上位4台の争いになるかと思われた。
予選1回目では4位と今一つだったRXR(クリストファーソン/テイラー)がタイムを伸ばしてきて総合2番手タイムを記録する。
すでにリードを築いていたX44(ローブ/グティエレス)は危なげなく好タイムを記録してトップを守った。
これにより、各優勝候補はそれぞれ、X44(ローブ/グティエレス)、RXR(クリストファーソン/テイラー)、ABT(エクストローム/クラインシュミット)の順番となり、チップガナッシ(ルデュック/プライス)のタイムを待つ状態となった。
しかし、ファーストドライバーのルデュックがステージ途中でマシンを止めてしまい大幅にタイムロス。
再始動を行いなんとか走り出すが、3分ほどのタイムロスとなり優勝戦線から脱落してしまった。
予選を終え、X44(ローブ/グティエレス)、RXR(クリストファーソン/テイラー)、ABT(エクストローム/クラインシュミット)の順番となった。

レースセッション

日曜日のレースセッションは4つのレースが行われた。
ファイナルの前に行われる3つのレースはファイナル以外のドライバーの順位を決めるものとなっている。
セミファイナルは、セミファイナル1とセミファイナル2が行われ、ファイナルに進める各グループ上位2名のドライバーを決めるレースとなっている。
セミファイナル前に行われるのシュートアウトは下位の7位から9位を決めるレースだ。

シュートアウト

セミファイナル前に行われたシュートアウトでは、チップガナッシ(ルデュック/プライス)・アンドレッティ(ハンセン/ムニングス)・サインツXE(サインツ/サンス)がレースを行った。
どのマシンも予選セッションでトラブルに見舞われたが、シュートアウトで本来の走りを取り戻した。
スタートではアンドレッティのハンセンが一歩リードするが、内陸に向かうターン1でインサイドにサインツが入り込みオーバーテイクを成功させる。
1ラップ目の終盤に、3位を走っていたチップガナッシのプライスが仕掛ける。
ハンセンと接触しながらのバトルを展開し、男性ドライバーに全く劣らない走りで女性ドライバーのガッツを見せつけた。
サインツXE(サインツ/サンス)・アンドレッティ(ハンセン/ムニングス)・チップガナッシ(ルデュック/プライス)の順にピットでドライバー交代を行い、2周目へ突入する。
ここからはスーパーセクターでトップタイムも記録したチップガナッシのルデュックが猛烈に差を縮める。
高速セクションで通常ラインから外れながらも一気にオーバーテイクして2位に浮上すると、勢いをそのままにトップのサインツXEも抜かしてトップに浮上する。
最終的にチップガナッシ(ルデュック/プライス)は7秒以上の差を付けてトップチェッカーを受けた。
2位にはサインツXE(サインツ/サンス)が入り、アンドレッティ(ハンセン/ムニングス)が3位となった。

セミファイナル1

セミファイナル1では予選で上位タイムを記録した、X44(ローブ/グティエレス)・RXR(クリストファーソン/テイラー)・ABT(エクストローム/クラインシュミット)がレースを行った。
ターン1を抜けて先頭を奪取したのはABTだった。
その後ろにRXR、X44と続く。
ABTのエクストロームは後続のプレッシャーを受けながらもトップを死守してピットまで戻ってくる。
しかし、ドライバーチェンジをした後の再始動に時間がかかりRXRとX44に先行を許してしまい3位にドロップする。
1位はRXR(クリストファーソン/テイラー)、その後ろで2位チェッカーを受けたのはX44(ローブ/グティエレス)、3位はABT(エクストローム/クラインシュミット)となった。
RXRとX44は両車共に危なげなく走行を行いファイナル進出を決めた。
ピットで遅れたABTも最後は3秒差まで詰める好走を見せた。

セミファイナル2

セミファイナル2では予選の4位から6位のタイムを記録したJBXE(ハンセン/コツリンスキー)・ベローチェ(サラザン/チャドウィック)・イスパノ・スイザ(ベネット/ゾンカ)がレースを行った。
レース序盤にトップに立ったJBXEが後続の2台を大きく引き離してピットまで戻ってくる。
イスパノ・スイザのベネットはベローチェに引っかかり大幅なタイムロスとなり、なんとか2位に浮上したものの、JBXEとは大差をつけられてしまった。
JBXEのトップがほぼ確定したが、もう一つのファイナルへのシートをベローチェとイスパノ・スイザが激しく争う展開に。
ステージ中盤、先行していたイスパノ・スイザにベローチェのサラザンが並びかけ両者は接触する。
それでもサイドバイサイドは続き、並んだままクレストへ進入するとサラザンがリードを奪った。
ペース的にはサラザンに分があったため、そのままチェッカーを受けると思われたが、コース終盤でまさかのスローダウン。
イスパノ・スイザのゾンカが抜かしに行くが、サラザンのマシンはなんとか復帰してポジションをギリギリのところで守った。
トップチェッカーを受けたのはJBXE(ハンセン/コツリンスキー)、2位はトラブルがあったもののなんとか堪えたベローチェ(サラザン/チャドウィック)、3位はイスパノ・スイザ(ベネット/ゾンカ)となった。

ファイナル

イベント勝者を決めるための最終レースには、RXR(クリストファーソン/テイラー)・X44(ローブ/グティエレス)・JBXE(ハンセン/コツリンスキー)・ベローチェ(サラザン/チャドウィック)の4台が並んだ。
前戦ではファイナルが3台であったが、今回は4台のマシンがファイナルへ進めるルールとなっている。
中盤は道幅が狭いため、できるだけ上位で1周目を終えたいところだ。
最初のストレートでいきなりアクシデントが発生する。
JBXEの右リアタイヤがダメージを受けて足回りを破損。
タイヤが完全に外側を向いてしまい真っ直ぐ走ることも困難となってしまい後方へ後退する。
ターン1ではサイドバイサイドでコーナーで侵入したRXRとX44が接触する。
インサイドにいたRXRのテイラーが外側に膨らみ、X44のグティエレスにヒットしてしまい、この接触でX44の右フロントが完全に破損した。
アームが折れたのか、ステアリングが全く効かずにコース外へ停車した。
なんとか走行しようとしていたJBXEもすこし先で停車し、これにより赤旗が提示された。
車両回収の後レース再開となったが、RXRのクリストファーソンがターン1からリードを奪いそのままベローチェを引き離してトップチェッカーを受けた。
開幕戦に続き2連勝となる。
2位には上手くアクシデントを回避したベローチェ(サラザン/チャドウィック)が入り、3位は走行距離が多かったJBXE(ハンセン/コツリンスキー)となった。

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