アリス・パウエルがヴァージンレーシングでテスト
フォーミュラE第5戦の舞台となるマラケシュで行われる2019/2020インシーズンテストで、イギリスの女性レーシングドライバーである「アリス・パウエル」がエンビジョン・ヴァージン・レーシングでテストを行うことになった。
最初の女性ドライバーのテスト走行
女性限定のWシリーズでレースを戦い終えたパウエルは、E-Prixが行われる2月29日の翌日である3月1日に、マラケシュでヴァージン・レーシングチームと共にテストを行う。
パウエルは、2人のルーキードライバーの一人として完全電動レーシングカーのステアリングを握り、ウォールに囲まれたストリートサーキットで初めて走行する女性ドライバーとなる。
インシーズンテストは、フォーミュラEで使用されるものと同じ「ムーレイ・エル・ハッサンサーキット」で行われる。
女性ドライバーとして初めてフォーミュラEのステアリングを握るアリス・パウエルは、オックスフォードで生まれ、8歳からカートキャリアを始めた。
4輪へステップアップを果たした後、17歳でフォーミュラ・ルノーのチャンピオンシップを獲得した最初の女性となり、2012年には世界選手権であるGP3シリーズでポイントを獲得した最初の女性となった。
現在のフォーミュラEに参戦しているドライバーの中にも彼女と共にレースを戦ったことがあるドライバーが数名おり、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタとダニエル・アプト、そしてミッチ・エバンスと有力選手が並ぶ。
パウエルはサーキットでの仕事以外でも活動しており、モータースポーツ内での女性を支援することを目的とする「Dare to Be Different」(D2BD)と言う非営利組織の大使を務めている。
インタビューコメント
そんな彼女が、フォーミュラEに乗る初めての女性ドライバーとしてインタビューに答えた。
「まず、ヴァージン・レーシングチームのフォーミュラEカーをテストする機会をいただけたことをチームに感謝します。これは素晴らしい経験であり、チームのシミュレーターを活用して車に飛び込むのが待ちきれません。また、D2BDの大使として働くことで、若い女性ドライバーに刺激を与えることができます。今回のこのテストはモータースポーツに関わる全ての女性に対して刺激を与えるのに役立ちます。もちろん、チームと協力し、テスト走行からできるだけ多くのデータを抽出して今後のシーズンのためになるように働きます。」
パウエルは、2019年11月にサウジアラビアのディルイーヤで開催されたフォーミュラEのサポートレースであるジャガーI-Pace eTrophyシリーズに出場し、ラウンド1と2の両ラウンドで3位に入賞した実績があり、フォーミュラEチャンピオンシップの週末にサーキットを訪れるのは2度目となる。
ヴァージン・レーシングのマネージングディレクターを務めるシルヴァン・フィリッピは以下の様にコメントした。
「彼女はすでに電気自動車選手権でレースを行った経験があり、マラケシュのインシーズンテストで彼女を起用できて嬉しく思います。彼女はフォーミュラEカーの技術的な要素等をシルバーストーンのシミュレーターで習得するのに多くの時間を費やしており、チームとして彼女と仕事ができることを楽しみにしています。D2BDの大使でもあるアリスは、レースで意欲的な若い女性に最適なモデルであり、チームとして私たちが完全にサポートしていきます。」