ジャガーI-Pace 市販車へのフィードバック
ABB FIAフォーミュラEチャンピオンシップと併催しているサポートレースであるジャガーI-Pace eTrophyレースのファーストシーズン後、ジャガーはレースでの学習を活用して市販版ロードカーに従来よりも走行距離を20 km追加させることに成功した。
市販車開発の技術支援
7月にニューヨークで、フォーミュラEチャンピオンシップの公式サポートシリーズ(ジャガーI-Pace eトロフィー)のファーストシーズンが終了した後、車両制作を担当しているジャガーはレースでの学習を活用し市販車への性能向上を図った。
一般市販車バージョンは2018年に発売され、その後フォーミュラEのストリートサーキットで性能を向上させることで、約20 km走行距離を延ばすことに成功した。
ジャガーI-Paceのビークルエンジニアリングマネージャーは以下の様にコメントした。
「ジャガーI-Pace eTrophyは毎戦のレースで膨大な量のデータを生成しており、ストリートトラックでの競争から得られた情報は、一般車に適用されて技術をさらに向上させています。新しいソフトウェアの更新によりパワートレイン制御システムが最適化され、効率が向上しました。従来の物からハードウェアを変更せずにジャガーI-Paceが1回の充電でさらに多くの距離を走行できるようになります。すべてのI-Pace所有者向けのアップグレードであります。ジャガーI-Pace eTrophyレースシリーズの技術的洞察を適用して、バッテリー・サーマル・AWDシステムの管理を最適化し、電動パワートレインの効率を高めました。これらの最適化により約90kWhのバッテリーで走れる距離は、従来の470kmから約8%の改善を予想しています。」
すべてのフォーミュラEレースと並行して行われるこのシリーズでは、砂漠の暑さからローマやニューヨークなどの狭い通りまで、過酷な状況に置かれて競争を行っている。
2018/2019年はシリーズの最初のシーズンであり、車両にとって重要な情報を学習できたため、エンジニアはバッテリー管理システムとトルク管理システムの両方の耐久性と熱制御を改善することができた。
トラックアクティビティに加えて、ジャガーは世界各国から5000万マイル以上の走行データも分析した。
そして更に多くのEV車両が存在するため、フォーミュラEとジャガーI-Pace eTrophyサポートシリーズに対するジャガーの取り組みは、今後も継続する予定となっている。
2019/2020年のセカンドシーズンでも、改良されたジャガーI-PaceがフォーミュラEの行われる都市でサポートレースとして開催される。