ドライビング技術の才能にとって代わるものはない
2015年の夏のドニトンパークでの36時間にも及ぶプレシーズンテストについてコメントすることに大変うれしく思っている。このとき、全くうまくいっていなかったし、この時の論点は3週間でプログラムを終わらせられるほどの周回数を各チームができたかどうかだ。ルノーe.damsのように十分なマイレージを稼げたチームもいれば、トゥルーリのガレージに引きこもり状態だったチームもある。しかし、すべてのチームが信頼性という悪魔と戦っていたことは明白だった。このことは新しいマニュファクチャラーのオンボードを見れば予想できたことで、北京では全員ノートラブルで終えることができた一方、マレーシアでは多くの問題が起こった。
まず初めにマレーシアでのことから話していく。シーズン1からの車両の熟成具合を見るのには初めての理想のサーキットであった。レースの総タイムはフォーミュラE最初の年と比較して55秒も早かった。セーフティーカーは1回少なかったものの、2周(5km)多くなっていたのにだ。それに加えて、ロングディスタンスになったためエネルギーのセーブの要求が多くなったにも関わらず、セバスチャン・ブエミが前シーズンのハイメ・アルグエルスアリのタイムより1.4秒早いファステストラップを記録した。予選タイムに関しては2秒早くなっており、フォーミュラEの”オープンルール”による純粋な速さの進化を見ることができた。
しかし、ペースがすべてではない。シーズン1では全員が同じマシンでレース中のテクニカルトラブルは発生しなかったが、今年になってプトラジャヤで何台ものマシンがトラブルに見舞われているのを我々は目撃した。私は手元に大体の温度計を持っていなかったが、今年は非常に高温多湿であった。最も顕著な問題を抱えていたのはルノーのセバスチャン・ブエミとニコラス・プロストの両者であるが、ブエミはシーズン初勝利を飾った。
テクニカルレギュレーション変更の中で様々なパワートレインデザインがありいろいろ注意して見なければならない。どこのパワートレインが最も効率的であるのだろうか。どこのギアボックスが最も軽量なのであろうか。我々がマレーシアのレース中に見たように、もし去年の車で本当にトップレベルであるドライバーがその車に乗ったら、いいポジションにいくことができたかもしれない。昨年の車で出走したロビン・フラインスは予選で印象的な走りをしたが8位で予選を終えた。レース中は33周目では昨年の車の信頼性と彼のドライビング技術によって3位の表彰台を獲得した。36時間に及ぶドニトンパークでのテストではアンドレッティチームはコースに6時間くらいしかおそらくおらず、第2戦で表彰台を獲得することは予想することができなかった。チームアグリにも同じようなことが言えるのだが、このチームもシーズン1の車で走行していた。
フォーミュラEは最近ドライバーレスのROBORACEをサポートレースとして開催することを発表し、第3シーズンから始まることが決定している。誰もが覚えることのできるエキサイティングで魅力的なコンセプトで、プトラジャヤでのパーティーであるチームの代表と話をしたのだがこのレースを待ちきれないという話になった。しかし、プトラジャヤではレギュレーション変更による恩恵や新しいパワートレインによるデザインの思惑などが見え隠れしモータースポーツの究極性や、フォーミュラEが描く未来図を失敗しないような重要性を確認できた大会であった。
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新しいパワートレインルールによってかなりエキサイティングになってきました。かといって開発の自由度を増やしすぎてもチームの格差が広がってしまうので慎重な検討が必要そうです。
source: http://www.fiaformulae.com/