フォーミュラE 三亜がカレンダーに追加
FIAフォーミュラE世界選手権は、シーズン12の第11戦として来年6月、中国の沿岸都市・三亜(サンヤ)に帰還する。
フォーミュラEが同地を訪れるのは、シーズン5(2018/19)以来、実に6年ぶりとなる。
今回のカレンダー追加により、中国は上海と三亜の2都市で開催されることとなり、1シーズンに2戦が行われる初の年となる。
開催は三亜市政府およびパートナーである三亜連新の協力によって実現した。
海南島に位置する三亜は、美しい風景と挑戦的な市街地コースを兼ね備え、ドライバーとチームに独自のレース体験をもたらすと期待されている。
世界的な観光都市として知られる三亜は、中国唯一の自由貿易港「海南自由貿易港」に属しており、フォーミュラEの開催を通じて国際的なビジネス拠点としての地位と観光魅力を世界に発信する狙いだ。
中国はフォーミュラEの歴史において特別な地位を占めている。
2014年の初開催レースは北京で行われ、その後は香港、三亜、上海と計4都市で計11戦を開催。
これまでの11レースで10人の異なる優勝者が誕生しており、フォーミュラEがいかに予測不能で競争の激しいシリーズであるかを物語っている。
今回の三亜戦追加により、シーズン12は全11都市・17レースという史上最多の開催数となり、フォーミュラEの新たな節目を迎える。
同時に発表された新たな競技規定では、予選フォーマットが刷新され、よりスピーディで視聴者にわかりやすいセッション構成となる。
グループステージの持ち時間は10分に短縮され、これまで義務づけられていた「最初の6分以内のタイム計測」ルールは撤廃された。
デュエルの所要時間も見直され、予選全体が1時間以内に収まる構成となる。
これにより、チーム・観客双方にとってテンポの良い予選が実現する見込みだ。
また、「ATTACK MODE」ルールも変更され、「PIT BOOST」レースでは1回のみ、「非PIT BOOST」レースでは2回の発動が可能となる。
義務時間を満たせなかった際のペナルティは廃止され、より自由度の高い戦略が可能になる。
フォーミュラE共同創設者兼チーフチャンピオンシップオフィサーのアルベルト・ロンゴは次のように述べた。
「シーズン12はフォーミュラEにとって新たな進化を示す重要な年になります。三亜の復帰によって中国での存在感が一層強化されるとともに、競技および財務面での新しい規定は、競争性と包括性を両立させるものです。コストキャップから育児休暇を除外する決定は、チームが人を大切にしながら戦うための大きな一歩です。同時に、史上最大規模のカレンダーと新たな予選フォーマットによって、これまで以上に刺激的で進化したシーズンを届けます」
また、FIAフォーミュラE部門責任者のパブロ・マルティノ氏も次のようにコメントした。
「2025/26年シーズンのカレンダーを正式承認できたことを嬉しく思います。今回の17戦という前例のないスケジュールは、フォーミュラEの伝統ある開催地と、新たな都市の魅力を融合させたものです。特に中国で2戦を開催できることは、シリーズにとって大きな意味を持ちます。さらに、競技・財務両面での細かな改訂によって、フォーミュラEはよりエキサイティングで包括的なチャンピオンシップへと進化していくでしょう」
















