
フォーミュラE 2025 ROUND10 上海 E-PRIX 決勝ハイライト
R10 – 上海
フォーミュラE 2025シーズンの第10/11戦である中国/上海でのレースが開催された。
フォーミュラE世界選手権は、シーズンの第10-11戦としてダブルヘッダーの上海E-Prixを開催した。
ダブルヘッダーはチャンピオンシップポイントを大量に加算することができるため、各チームにとって重要な2連戦となる。
フォーミュラEの初開催国である中国は、パンデミックの影響で数シーズンの間、開催を中止してカレンダーから外されていた。
そして2024シーズンに久々のフォーミュラE復帰となり、今年も昨年同様に常設コースでの開催となった。
使用されるコースは、ヘルマン・ティルケによって設計された上海インターナショナル・サーキットだ。
上海E-Prixでは、グランプリコースの内側を使用するショートレイアウトが使用される。
コーナー数は12箇所と少なく、コース幅も常設サーキットらしく広い。
オーバーテイクも多くなり、エネルギーマネジメントが重要なレースとなる。
2025シーズンはGen3Evoマシンを導入したシーズンとなる。
最大パワーは350kwと変化はないが、スタート時/予選デュエルステージ/アタックモード使用時は4WDとなり凄まじい加速力を発揮する。
通常時は今まで同様に300kwのRWDで走行する。
予選
予選では、最初に行われるグループステージで好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、350kW&四輪駆動での直接対決勝負が行われる。
グループAでは、ローランド、ダ・コスタ等が走行した。
トップタイムを記録したのはDSのギュンターだった。
後続を約0.3秒引き離す素晴らしいラップタイムを記録した。
ここにデニス、キャシディ、ローランドが続いた。
グループBでは、ウェーレイン、バーナード等が走行した。
トップタイムはバーナードが記録し、デュエルステージ常連のルーキーとして存在感を見せた。
2番手にはデ・フリース、そして3番手にはウェーレインが入り、最後の1枠にはベックマンが滑り込んだ。
デュエル予選では白熱のバトルが展開された。
デュエルステージファイナルでは、ギュンター対バーナードの勝負が行われた。
ギュンターがこれまでの最速ラップを更に更新するスーパーラップを記録しポールポジションを獲得した。
2番手にはマクラーレンのバーナード。
3番手はポルシェのウェーレイン。
4番手はジャガーのキャシディとなった。
レーススタート
スタートでは3番手スタートのウェーレインがターン1で上位二人をオーバーテイクしてトップに立つ。
その少し後ろでは、ローランドが順位を上げてトップ集団に混じる。
トップに立ったウェーレインだったが、すぐに先頭交代を行いバッテリー消耗を気にしたドライビングをし始める。
2周目、上位集団を走行していたキャシディが最終コーナーで3ワイドとなり接触する。
大きなダメージはなくすぐに隊列に復帰したが、ポジションを大きく落とすことになった。
これにより、早めのピットブーストを行う戦略を取る。
中盤のアクション
9周目、20番手スタートのディグラッシが2番手に浮上し、デフリースの背後に迫る。
12周目、トップ集団のミュラーがピットブーストのためピットインを行う。
13周目にはこれに反応して、デ・フリース、ローランドの2人が1回目のアタックモードを起動した。
そして後続は多くのマシンがピットブーストのためピットインを行う。
15周目、ピットブーストを使用後にアタックモードに入った集団と、アタックモードを使用してからピットブーストを使用した集団の見えないバトルが展開される。
16周目、トップのローランド、2番手のデフリースがピットインを行い、変わってウェーレインがトップに立つ。
18周目、そのウェーレインもピットインを行い、ギュンターの後ろの2番手でコースに復帰する。
20周目時点でアタックモードを残しているのは、ギュンター、ローランド、バーナードの3人となり、ここでバーナードが最後のアタックモードを起動して5番手からトップまで全車をオーバーテイクする。
終盤のバトル
22周目、ローランドがアタックモードを起動し、追い上げを開始する。
23周目、ギュンターも最後のアタックモードを起動し、その間にローランドが3番手に上がるという激しい順位変動が起こる。
24周目、2番手のナトをローランドが交わし、そのままトップのバーナードも抜かして1位へ浮上する。
26周目、アタックモードが終了したローランドに、アタックモード中のギュンターが追いつきホームストレートで抜かす。
ギュンターはアタックモードが終了するまでの短い時間でローランドとの距離を広げ、トップを確実なものにする。
一方2位争いは激化し、ローランド、バーナード、ナトの3人が激しく争い、更にティクタムが割って入り、ファイナルラップに入る。
ファイナルラップはバーナードとティクタムの2位争いが注目となったが、最終シケインでベルニュが2台をまとめてオーバーテイクし2位にジャンプアップした。
優勝は、アタックモード中に後続を引き離したDSのギュンター。
2位は、最後の最後のポジションを大きく上げたDSのベルニュ。
3位は、マクラーレンのバーナード。
4位は、キロのティクタムとなった。