
フォーミュラE 2025 ROUND7 モナコE-PRIX 決勝ハイライト
R7-モナコ
グランプリレースの伝説的存在であるモナコ市街地コースでのフォーミュラEが今年も行われた。
モナコは世界で2番目に小さい国でありながら、非常に高い人口密度を誇る。
世界一の物価を記録する”お金持ちの国”として知られるモナコは、モータスポーツの歴史が非常に長い。
そんな元祖市街地コースとも言えるモナコ市街地サーキットで、最先端の電気自動車がレースを行う。
例年同様、モナコ市街地コースがフルコースの完全版で開催される。
フルコースレイアウトはF1で使用されているため、フォーミュラEにとっては高速コースと呼べるものになっておりオーバーテイクのチャンスも多い。
2025シーズンはGen3Evoマシンを導入したシーズンとなる。
最大パワーは350kwと変化はないが、スタート時/予選デュエルステージ/アタックモード使用時は4WDとなり凄まじい加速力を発揮する。
通常時は今まで同様に300kwのRWDで走行する。
予選
予選では、最初に行われるグループステージで好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、350kW&四輪駆動での直接対決勝負が行われる。
グループAでは、ローランド、ダ・コスタ等が走行した。
ウェットコンディションでの予選となり、最終アタックを決めたドライバーが好タイムを出すエキサイティングなセッションとなった。
トップタイムは、前日2位のデ・フリースが記録し、2番手に0.7秒の大差を付けた。
2番手にはダ・コスタ、3番手にローランドと、前日に好調だったドライバーが上位に入り、4番手はティクタムとなった。
グループBでは、ウェーレイン、バーナード等が走行した。
トップタイムはブエミが記録し、久々に上位に顔を出した。
2番手以降は、ベルニュ、バンドーン、ギュンターが続いた。
デュエル予選では波乱が多く発生した。
セミファイナルではローランド対デ・フリースとなったが、両者がターン1で止まりきれずにランオフエリアでスピンターンを行う展開となった。
この対決は、より早く復帰したローランドに軍配が上がった。
また、もう一方のセミファイナルはギュンター対ベルニュとなったが、こちらは両者がシケインをカットして不通過判定となりノータイムとなった。
これにより決勝は行われず、ローランドがポールポジションを獲得するという珍しい形で終わった。
ポールポジションは日産のローランドが獲得。
2番手にはマヒンドラのデ・フリース。
3番手はDSのギュンター。
4番手はDSのベルニュとなった。
レーススタート
レースがスタートし、ポールポジションのローランドがポジションを守ってターン1を通過する。
後続も大きなトラブルなくターン1を通過していった。
前日のレースとは違い、ウェットコンディションであることやピットブーストがないことによって大きく戦略が変わるレースとなる。
10周目、キャシディと8番手争いをしていたティクタムがブレーキングで姿勢を崩しランオフエリアへ侵入してしまい大きくタイムロスを喫する。
13周目、前日に好走を見せていたミュラーがステアリングにダメージを負って早々にリタイヤとなる。
中盤のアクション
18周目、2番手のローランドがアタックモードを起動してブエミの前でコース復帰。
2番手に浮上したデ・フリースとのバトルではシケインをカットしてしまうシーンもあったが、次のホームストレートに抜いて2位へ戻って来る。
19周目、アタックモードの勢いをそのままに、トップのベルニュにも襲いかかる。
シケインでウォールギリギリまで寄せられ、続くシケインでは押し出されたものの、そのままオーバーテイクしてトップに浮上する。
ローランドに対してブロックを意識しすぎたベルニュはラインが悪くなり、逆にブエミにも抜かれそうになってしまう。
そこに、アタックモードのデ・フリースが一気に接近し、一時ローランドまで抜いてトップに躍り出るが、コーナーの侵入スピードが速く、立ち上がりでローランドが抜き返す。
20周目、アタックモードを終えたローランドをデ・フリースがオーバーテイクしトップに立つ。
終盤のバトル
21周目、ブエミがアタックモードで2位までポジションを上げて、デ・フリースとテールトゥノーズとなる。
22周目、ターン1を抜けた後アタックモードの恩恵を受け、ブエミがデ・フリースを抜いてトップに立つ。
少し後方ではローランドが2回目のアタックモードを起動する。
24周目、ローランドがデ・フリースを抜いて2位へ浮上するが、ブエミとは約4秒の差が付いていた。
3番手争いは激化し、キャシディとダ・コスタがデ・フリースを抜いてバトルを展開した。
優勝は、難しいコンディションでベテランらしい安定感を見せたブエミとなった。
2位は、今シーズン絶好調のローランドが獲得。
3位は、最後までバトルを展開したキャシディとなった。
フォーミュラEは7戦を終えて、ローランドが大量リードしている。
ランキング1位は日産のオリバー・ローランド(115ポイント)
ランキング2位はポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(67ポイント)
ランキング3位はポルシェのパスカル・ウェーレイン(66ポイント)