フォーミュラE 2024 ROUND15 ロンドン E-PRIX 決勝ハイライト
R15 – ロンドン
フォーミュラE 2024シーズンの第15戦であるイギリス/ロンドンでのレースが開催された。
フォーミュラE第15-16戦の舞台はイギリスのロンドンだ。
2024シーズンの最終戦となり、ここでチャンピオンが決まる。
初開催は2016年だが、一時期開催されない時期があり、その後復活したイベントの一つだ。
また、今年も土曜日と日曜日にレースを行うダブルヘッダーイベントとなるため、最終戦での逆転があるか注目だ。
ロンドンはイギリスの首都であり、ヨーロッパでも最大級の都市である。
市域の人口は800万人を超え、歴史ある建造物と最先端の技術が混在する特徴的な街並みが見られる。
7月でも平均気温は24-14℃と過ごしやすく、問題が起きる気温ではない。
屋内外を利用した個性的なサーキットで行われるロンドンE-Prixは、他のイベントとは一味違うイベントとなる。
スタート地点は完全な屋内エリアであり、天候による影響を受けないことが非常に特徴的だ。
また、一部エリアは勾配がかなりあり、人工的な斜面を通ることになる。
Gen3時代のコースとしては非常に短く、直線も短いためオーバーテイクにリスクが多く、接触の多いレース展開となる。
2024シーズンはGen3マシンを継続使用する。
最大パワーの350kwを使用する予選は十分なパフォーマンスを見ることができ、決勝は300kwで争われる。
ブレーキの回生エネルギーが重要であり、レースで使用するエネルギーの約40%が回生によるものとなっており、効果的なエネルギーマネジメントが求められる。
予選
予選では、2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループ予選から熾烈なタイム争いが繰り広げられた。
グループAでは、キャシディ、ウェーレイン、ローランド等が走行した。
トップタイムはウェーレインが獲得し、好調な滑り出しを見せた。
そこにブエミとローランド、そしてフラインスが続いた。
注目のキャシディは9番手で敗退となった。
グループBではエバンスとダ・コスタ等のチャンピオン候補が走行した。
トップタイムはエバンスが記録し、ウェーレインとの同様に好調を示した。
そこに僅差でミュラーが続き、フォーミュラE最後のレースウィークを良い形でスタートさせた。
以下、ナト、ベルニュがデュエルへ進出した。
トーナメント予選では、ミスの許されないバトルが行われた。
トーナメントファイナルでは、エバンスとベルニュが対決。
両者は終始接戦を演じたが、後半に僅かにリードしたエバンスがポールポジションを獲得し、チャンピオンシップに貴重な3ポイントを獲得した。
2番手にはエンビジョンレーシングのセバスチャン・ブエミ。
3番手はポルシェのパスカル・ウェーレイン。
4番手はアンドレッティのノーマン・ナトとなった。
レーススタート
レースがスタートし、ターン1ではポールのエバンスがトップを維持した。
3番手スタートのウェーレインはしばらくナトとバトルしたが、4番手へ後退する。
後方では、9番手争いをしていたデニスとフラインスが並んでシケインへ侵入する。
インサイドのデニスはシケインでフラインスを追いやり、フラインスはバリアへ接触してマシンを損傷させてしまい、後続のバードの前で停止する。
これによってフラインスはリタイヤし、バードは後方へ大きく順位を落とすこととなった。
6周目、デニスが今度はベルニュとのバトル中に接触し、ベルニュのマシンが斜め後方から押し上げられる形でデニスのタイヤに乗り上げた。
これによって両者は大きく順位を落とす。
更に7周目、ローランドとダ・コスタが接触して、こちらも2台揃って停車してポジションを落とす。
中盤のアクション
12周目、後方からポジションを挽回してきたデニスがキャシディとバトルを展開する。
デニスは前半の低速セクションでキャシディのインサイドへ飛び込むが、インサイドに留まれずにキャシディを押し出す様にして順位を上げた。
チャンピオンシップを争うキャシディは幸い大きなダメージを追うことななかったが、サスペンションへのダメージが危ぶまれるシーンとなった。
22周目、トップ争いをしていたエバンスとウェーレインがバトルを展開し、ウェーレインがホームストレートでインサイドへ飛び込んでオーバーテイクを成功させる。
23周目、ウェーレインがアタックモードを起動して、そのまま前で復帰する。
27周目、エバンスのアタックモード起動を確認後、ウェーレインも2回目のアタックモードを起動しに向かう。
両者は並んだ状態で続くコーナーへ侵入するが、エバンスのアウトラインはウェーレインによって阻止され、ウェーレインがトップを保守した。
終盤のバトル
27周目、エバンスはバッテリーをセーブする必要があり、ペースを落とすこととなり、ギュンターが変わって2番手へ浮上する。
31周目、6番手争いをしていたフェネストラズとナトは、ターン1のターンインで接触し、ナトがバランスを崩してウォールに接触した。
ナトは、フェネストラズのマシンを抜き切っていない状態でインサイドへ切り込んだことでリアタイヤがヒットしてしまった。
34周目、2位を走行中であったギュンターがまさかのスローダウン。
これによって3位以下がポジションを1つずつ上げる。
トップでチェッカーを受けたのはウェーレインだった。
エバンスとの直接対決を制しての優勝は非常に大きな意味を持つものとなった。
2位は、ジャガーのミッチ・エバンスが入り、チャンピオンに向けて十分なポイントを獲得した。
3位は、エンビジョンレーシングのセバスチャン・ブエミとなった。
フォーミュラEは15戦を終えて、チャンピオン候補は3人に絞られた。
ランキング1位はポルシェのパスカル・ウェーレイン（180ポイント）
ランキング2位はジャガーのミッチ・エバンス（177ポイント）
ランキング3位はジャガーのニック・キャシディ（173ポイント）
