フォーミュラE 2024 ROUND14 ポートランド E-PRIX 決勝ハイライト
R14 – ポートランド
フォーミュラE 2024シーズンの第14戦であるアメリカ/ポートランドでのレースが開催された。
フォーミュラE世界選手権は、第13-14戦としてアメリカのポートランドでE-Prixを開催した。
アメリカではこれまでもフォーミュラEを開催してきたが、マイアミ、ロングビーチ、ニューヨークに続き、現在はオレゴン州ポートランドで開催されている。
昨年に初開催で成功を収めたイベントであり、今シーズンはダブルヘッダーとして開催される。
ポートランドはアメリカ合衆国オレゴン州にある都市だ。
オレゴン州最大の都市であり、50万人以上が暮らす地域となっている。
ポートランドは環境に優しい都市であるとされており、全米1位の評価を得ている。
また、全世界でも、アイスランドのレイキャヴィークに次いで第2位とされている
フォーミュラEが開催される6月の平均気温は22℃-11℃となっており、過ごしやすい気候だ。
サ―キットはフォーミュラE特有の市街地サーキットではなく、完全な常設サーキットとなる。
全長は3.19kmと、フォーミュラEの開催コースとしてはやや長めとなるが、圧倒的に直線の区間が長い。
特にホームストレートと裏ストレートの2本の直線は、Gen3マシンのパワーを十分に発揮できるだけの距離がある。
2024シーズンはGen3マシンを継続使用する。
最大パワーの350kwを使用する予選は十分なパフォーマンスを見ることができ、決勝は300kwで争われる。
ブレーキの回生エネルギーが重要であり、レースで使用するエネルギーの約40%が回生によるものとなっており、効果的なエネルギーマネジメントが求められる。
予選
予選では、2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループ予選から熾烈なタイム争いが繰り広げられた。
グループAでは、キャシディ、エバンスのジャガー勢が走行した。
トップタイムはフラインスが記録し、前日の好調を維持している。
そこにベルニュ、キャシディ、ヒューズが続き、前日に速さを見せたドライバーが相変わらず上位に入った。
グループBではウェーレインとデニス等が走行した。
トップタイムはダ・コスタが記録し、優勝の勢いに乗っている。
そこにバード、デ・フリース、ウェーレインが続いた。
トーナメント予選では、ミスの許されないバトルが行われた。
トーナメントファイナルでは、ベルニュとダ・コスタが対決した。
両者は終始僅差でラップを進めた。
序盤はベルニュが先行したものの、中盤からダ・コスタが逆転して終盤に再度ベルニュがリードを築き、僅か0.02秒差でポールポジションを獲得し3ポイントを追加した。
2番手にはポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ。
3番手はマクラーレンのサム・バード。
4番手はエンビジョンレーシングのロビン・フラインスとなった。
レーススタート
レースがスタートし、ターン1でダ・コスタが首位を取った。
先頭集団は早いタイミングでアタックモードを消化し始め、順位が大きく変動していく。
5周目、ウェーレインがブレーキングゾーンで前のマシンであるモルタラと接触しフロントウィングを破損してしまう。
これによりフロントウィングがボディ下に入り込み、マシンから白煙が上がる。
幸い、その後ウィングは外れて走行を継続できたものの、完全にフロントウィングを失った。
中盤のアクション
12周目、ヒューズがターン1で前走者のモルタラに接触してフロントウィングを破損する。
そして続く13周目、ターン1で再度接触が発生する。
中団で玉突きが発生し、複数のマシンがダメージを負ってしまい、デニスやキャシディを含む5台が急遽ピットへ入った。
これで終わらず、15周目には3番手を争っていたモルタラとダ・コスタが接触。
インサイドのラインを残さずにコーナーへ進入したモルタラのリアタイヤにダ・コスタのウィングが接触し、モルタラのタイヤがバーストしてリタイヤとなった。
終盤のバトル
23周目、ダ・コスタを先頭に、フラインス、エバンス、ウェーレインが続く。
チャンピオンシップを争うエバンスとウェーレインは、ライバルのキャシディが後方へ沈んだため、ここが勝負所となる。
24周目、エバンスがターン1でフラインスを抜き2位へ浮上する。
26周目、今度はフラインスがエバンスを抜いてポジションを取り戻す。
ファイナルラップ、ダ・コスタを追いかけるフラインスだったが、オーバーテイクを仕掛けることはできず、そのままチェッカーとなった。
トップでチェッカーを受けたのはポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタとなり、前日に続いてポートランド2勝、上海からの3連勝となった。
2位は、エンビジョンレーシングのロビン・フラインスが入り、こちらも前日に続く2位表彰台を獲得した。
3位は、ジャガーのミッチ・エバンスとなり、チャンピオンシップで重要なポイントを獲得した。
フォーミュラEは14戦を終えて、チャンピオンシップポイント差が縮まった。
ランキング1位はジャガーのニック・キャシディ(167ポイント)
ランキング2位はジャガーのミッチ・エバンス(155ポイント)
ランキング3位はポルシェのパスカル・ウェーレイン(155ポイント)