フォーミュラE 2024 ROUND11 上海 E-PRIX 決勝ハイライト
R11 – 上海
フォーミュラE 2024シーズンの第11/12戦である中国/上海でのレースが開催された。
フォーミュラE世界選手権は、シーズンの第11-12戦としてダブルヘッダーの上海E-Prixを開催する。
ダブルヘッダーはチャンピオンシップポイントを大量に加算することができるため、各チームにとって重要な2連戦となる。
フォーミュラEの初開催国である中国はパンデミックの影響で数シーズンの間、開催を中止してカレンダーから外されていた。
そして2024シーズンは、久々のフォーミュラE復帰となる。
過去の開催時は市街地コースを使用していたが、今回は上海にある常設サーキットを使用することとなった。
使用されるコースは、ヘルマン・ティルケによって設計された上海インターナショナル・サーキットだ。
上海E-Prixでは、グランプリコースの内側を使用するショートレイアウトが使用される。
全長は3.05kmと平均的な長さながら、コーナー数は12箇所と少なく、コース幅も常設サーキットらしく広い。
オーバーテイクも多くなり、終盤にかけて争いが増えていくだろう。
2024シーズンはGen3マシンを継続使用する。
最大パワーの350kwを使用する予選は十分なパフォーマンスを見ることができ、決勝は300kwで争われる。
ブレーキの回生エネルギーが重要であり、レースで使用するエネルギーの約40%が回生によるものとなっており、効果的なエネルギーマネジメントが求められる。
予選
予選では、2つのグループで行われるグループ予選で好タイムを出した上位4人がデュエルステージに進み、直接対決勝負が行われる。
グループ予選から熾烈なタイム争いが繰り広げられた。
グループAでは、キャシディ、エバンス、ローランド等の上位勢が走行した。
トップタイムを記録したのはDSのバンドーンだった。
2番手は0.01秒差でローランドが続き、ナトとエバンスがそこに続きトーナメント進出を果たした。
4番手のエバンスまでのタイム差が0.06秒となっており、最下位の11番手まで0.278秒と、最も接戦のグループステージとなった。
グループBでは、ウェーレイン、デニス等が走行を行った。
トップタイムはヒューズが記録し、接戦を制した。
2番手以降はベルニュ、ダ・コスタ、ウェーレインが続いた。
こちらも4番手までのタイム差は0.1秒と非常に接戦であった。
トーナメント予選では、ミスの許されないバトルが行われた。
トーナメントファイナルはローランドとベルニュの対決となった。
序盤からほとんどタイム差はなく、ローランドが0.1秒遅れて中盤に入る。
中盤ではローランドがギャップを少し縮め、ほぼ同タイムまで戻すが、最終的に0.03秒差でベルニュがポールを獲得した。
ポールポジションはDSのジャン-エリック・ベルニュ。
2番手には日産のオリバー・ローランド。
3番手はジャガーのミッチ・エバンス。
4番手はポルシェのパスカル・ウェーレインとなった。
レーススタート
スタートで先頭をとったのはベルニュだった。
2番手にはウェーレインが上がり、エバンスも3番手で続く。
ローランドは慎重なスタートを切り4番手で様子を見る。
5周目から6周目に上位勢がアタックモードを起動していく。
上位勢はバッテリーセーブのためにペースを大幅に落として走行しており、非常に多くのマシンが先頭集団に加わる状態となる。
中盤のアクション
10周目、デ・フリースが久々にトップに浮上する。
12周目まで、ウェーレインとデ・フリースが先頭を走り少し集団のペースが上がるが、すぐにスローペースに戻った。
18周目、後方で接触がありイエローが提示される。
多重クラッシュになりかけたものの、フロントウィング等のダメージで収まり、大きなアクシデントには発展しなかった。
また、中団ではフラインスがスピンを喫し下位へ後退した。
23周目、トップ争いはウェーレインとエバンスを先頭に、デニスとキャシディのチャンピオンシップ上位勢が揃う展開になる。
終盤のバトル
25周目、ウェーレインがエバンスと並んでシケインに入り、芝に出ながらも先頭に躍り出た。
そのすぐ後ろにはキャシディとダ・コスタが続き、ジャガーとポルシェの総力戦となる。
27周目、エバンスからの激しいアタックをなんとか凌ぐウェーレインは先頭をキープしファイナルラップへ突入する。
ファイナルラップのターン1でアウトサイドからオーバーテイクを決めたエバンスはトップに返り咲く。
続くヘアピンで、ウェーレインにキャシディが襲いかかり激しいバトルを展開する。
バッテリーにアドバンテージがあるキャシディはすべてのコーナーでアタックを仕掛け、最後のシケインでもウェーレインに並びかけるが、オーバーテイクは出来なかった。
優勝は、ファイナルラップでトップに出たジャガーのミッチ・エバンス。
2位は、直接対決を制したポルシェのパスカル・ウェーレイン。
3位は、最後までバトルを見せたジャガーのニック・キャシディとなった。
4位には日産のオリバー・ローランドが滑り込み、タイトル争いに残る走りをした。
