第3回シムレーサーインタビュー:武藤壮汰

第3回シムレーサーインタビュー:武藤壮汰

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<大会出場情報>
スタジオ397にて、7.004kmのベルギーGPサーキットで3時間の特別招待レースを開催することが決定。本レースはサーキットでの参加から自宅でのライブ中継の視聴まで、様々な方法で参加することができる。
本レースにて武藤さんが参加予定なので、ぜひチェックしていただきたい。

大会名:SPA 3hインビテーショナルスペシャルイベント
開催日:12月4日(金)19:00〜

視聴可能チャンネル:
rFactor 2 Twitchチャンネル(12月4日(金)19:00〜20:30)
WTF1 YouTubeチャンネル(12月4日(金)20:30〜00:00)

EVracing.jpでは、eスポーツで活躍するシムレーサーへのインタビューを敢行。第3回のシムレーサーは「武藤壮汰」さん。
国内外のeスポーツで優勝をし、海外のシミュレーターチームでも活動をするドライバー。
iRacingをメインに活動しており、全世界でも屈指の実力者。


本インタビューの注目ポイント

  • 海外シミュレーターチームに所属しeスポーツ大会に出場
  • iRacingで国内1位のレーティングを保持
  • Youtubeでの生放送活動もしている
  • eスポーツ選手として周辺分野を含めて幅広く活動中

 

-それでは、簡単な自己紹介からお願いします。

初めまして。本名は武藤壮汰(ムトウ ソウタ)と申します。
「ブラウン」って名前で知っていただいている方は僕の古参の方です。
あと、最近Vtuberを初めまして、その時は「レイスシム子」って名前でやってます。
既に「レイスシム子」って名前をご存じの方は「レイスシム子」の古参です。ありがとうございます。
年齢は今21歳で、この前(第1回インタビュー選手)の福田君と同い年です。
iRacingをやるときはラディカルズオンラインというイギリスが本拠地のチームで走っています。

-これまでに参加したEスポーツとその戦績を教えてください。

最初にeスポーツの大会に出たのが、中国のWERCですね。福田君(第一回インタビュー選手)と一緒に出場した大会です。その大会でeスポーツに初めて誘われて。ほぼ観光気分で行ったんですけどね(笑)
でもその時はホントに色々とありまして、運が良かったこともあり、1位になりました。
それからレースシムをeスポーツとしてもやるようになりました。

次に出たeスポーツは、岐阜のカラフルタウンでやったRDXという大会なのですが、そこでも1位を獲れました。参加者15人くらいの小さい大会で、たまたま近かったので参加しました。その時は折り畳み式のコックピットで、ハンコンはG29、ソフトはiRacingでした。長机の上にモニターが置いてあってシミュレーターのスターターキットみたいな感じの機材で、ワイワイ走る感じでした。

その後は2019年の9月にドイツのニュルブルクリンクで、ADAC SIMRACING EXPOのポルシェトロフィーとGT500に出させていただきました。GT500と言われる方のレースはチーム戦になってまして、そこで5位入賞できました。この時もソフトはiRacingですね。

その後11月にもう一回中国の大会に出場しまして、ERSという大会が上海でありまして、そちらではほとんど運で2位になりました。

当時はロシアに留学している最中だったので、大会出場のお誘いをいただいてから、パソコンやハンコンを近くの電気屋で買ってきたり、プレステ4を持っている友達がいたので少し借りて練習していました。大会のために少し出費がありましたが、賞金で回収はできたので大丈夫でした。

今年は、アクセスさんのオンライン大会で総合1位をいただきました。賞金のある大会は、そんな感じです。
12月にオンライン大会があるみたいなので、それにも参加する予定です。

Sota2

-マイカー含めて今まで乗った車や、走ったサーキットを教えてください。

高校生の時に2年間レーシングカートをしていて、ほぼそれでおしまいです。乗っていたカートはKTのSSで2stですね。スーパーウィンフォースっていうフレームを使っていました。2年間やりましたが、かなり遅いくらいでカートは全然ダメでした。

4輪でサーキットを走ったのは、去年のERSのeスポーツ大会の副賞で、KTMのクロスボウ上海国際サーキットで20分ほど乗らせていただきました。
あとは、冬にアクセスさんの大会の副賞で86を乗せていただけるそうです。コースはまだ分かりません。

Sota4

-eスポーツに参加しようと思ったきっかけと現在参加している理由は?

きっかけはWERCに誘われたことですね。元々勝負は好きなのですが、得意なものと好きなものが中々一致しなくて、小学校時代に野球をやってもダメでしたし、中学で剣道をやってみても微妙で、高校でカートやっても微妙で…運動は好きだったので色々やってたのですが、どうも全部微妙でした。

そんな中で出会ったレースシムは、自分もそこそこいける方だなと思っていましたけど、eスポーツで走るまではホントに遊びで、ゲームで遊んでいるのにお金もらっていいのかな?という感じはありました。

でも応援してくださる方もいて、お褒めの言葉をいただいたりしまして。自分の走りで人を楽しませられるというか、そういうのもあるんだなと最近実感してきたところです。レースは自分が好きでやっているのですが、応援してくれている方の楽しみにもなってるのかなと思って続けています。

Sota3

-使っているシミュレーター(ソフトウェア)は?

やっているのはrFactor2、iRacing、アセットコルサ、アセットコルサコンペティツィオーネ、オートモビリスタ、プロジェクトカーズ2。

この中でのメインはiRacingです。

-オススメのシミュレーターは?

実はあまりシミュレーターに対して、挙動がリアルかどうかを重視していません。レースができる・競い合えるというのが自分にとっては重要でした。その点、iRacingは海外のプレーヤーといつでも24時間レースができる環境があるのでオススメです。あとレーティングシステムがあるので、自分の力を数字にポンと出してくれるというのがいいですね。

挙動にこだわってないとは言いつつ、走っていて楽しいのはrFactor2かなと思っています。
シミュレーター毎に収録車種とか収録コースも違って、挙動や映像のこだわりも違うので、それによってはオススメは変わってきますね。例えば、レースをしたいのであればiRacingが一番とっつきやすいかなと思いますし、挙動のリアルさとか現実世界のためにというのでしたら、収録車種やコースに合わせて選ぶのもいいかもしれないです。

ただ、単純にレースをやるということになると、挙動はみんな一緒になってイコールコンディションで行われるので、自分はあまり挙動は重視してないです。レースをしたいのであればオススメはiRacingです。

-PCも含めて使っている機材を教えてください。

ハンドルからですね。最近買ったのですが、シムキューブ2スポーツです。使っていて思いますが、パワーがあるのは良いことですね。

その前はスラストマスターのT300を使ってました。T300もいいハンコンです。

シムキューブはモーターなので、ステアリングは別で取り付けています。ステアリングホイールはキューブコントロールのフォーミュラproを使ってます。

コックピットは、SUSのアルミフレームです。SUSのアルミフレームって注文しないといけないのですが、「この形のフレームをこの長さで何本お願いします」という注文を送らないといけないんですよね。そのセットをUKさんという方が紹介してくださって、「この通りに注文してこの通りに組めばもうできます」って感じなので非常に便利です。それを使ってる方すごい多いと思うのですが、僕もそれを使わせていただいている一人です。これは4万くらいですかね。剛性もしっかりあるので、シムキューブを100%出力で使っても大丈夫です。

そしてアルミフレームですが、一番下の土台をできるだけ分厚くすると剛性が高まります。下が無茶苦茶分厚いアルミフレームを作っているプレイシートをドイツで体験して、これは良いなって思いました。固定する台は勉強机でもできるにはできるんですが、T300でもG29でもアルミフレームにすることの効果はすごくあると思います。オススメ度は高いですね。

ペダルはファナテックのCSLエリートです。安めですが、すごくコスパが良いです。ブレーキの解像度が16bitで、上位モデルのV3よりも高いです。2万8千くらいで買えるペダルにしてはすごくよいと思います。これより良質なペダルってなるとヒューシングベルトとかになっちゃうので、そうすると一気に6万以上とかになっちゃいますね。あそこまで行くと靴が必要になるので、お手軽にやりたいのであればCSLで十分かなと思います。僕は靴は履きたくないので(笑)パソコンの電源を入れてシートに座って「はいっやろう」っていうくらいの機材にしておきたいです。あんまりガチガチに凝り過ぎると起動するのすら億劫になってしまうかも(笑)

パソコンのモニターは27インチの144Hzです。ゲーミングモニターで3万くらいですが、やっぱり144Hzの高リフレッシュレートのモニターはすごく良いなと思います。

今60FPSのモニターを見ると、すごいカクカクに見えてしまいますね。それに滑らかに見えると目が疲れないです。シミュレーターは体で感じる分がないので、目で画面を見て得られる情報が結構大切なのかなって言うのもあって滑らかであるほど分かりやすいと思います。

パソコンは5年前くらいに買ったBTOのパソコンが元なんですけど、色んなパーツが壊れてそのたびにパーツ交換してるので、残ってるパーツはケースとDVDドライブくらいですね。

グラボがRTX2060でCPUがi7の10700。やっぱりパソコンスペックは大事ですね。ゲームはSSDに入れてます。

iRacingはレースセッションのサーバーに入って最初3分だけ入室時間用のプラクティスがあるんですけど、そこにちょっとでも早く入って、コースのコンディションを確認するというのが大事です。

材系は最近までけっこう疎かで「走れればいいかな」と思ってた感じなんですよ。ただ、ソフト側の世界は全員共通なんですけど、ハード側の世界は共通じゃないので、そこでちょっとでも差を付けておくと有利だなというのはあります。特にオンラインのレースですとね。

-参戦している国内外のサーバーは?

iRacingはKMRカップと、ドラポジチャレンジカップあたりですね。日本のサーバーはなるべく参加するようにしてます。日本国内のiRacingの中だと、ロードのiRating(ドライバー評価数値)がトップなので、なるべく参加して日本人のiRacingドライバーの方々と顔見知りになっておくようにしています。一応国内ではレーティングが1位なので、他のレーサーの目標と言うかベンチマークになれればなと思ってます。なんか自惚れみたいな感じになりますけど(苦笑)目標とかの参考にしてほしいなっていう感じで出ています。

iRacingのオフィシャルサーバーだと日本人のプレーヤーと一緒になることもなかなかないので、国内サーバーには参加していきたいです。

海外サーバーもたまに誘われるので出ますが、基本的に普段はiRacingのオフィシャルレースに出てます。rFactor2は最近あまり顔出せてないんですけど、tanimaサーバーさんとかに出ていました。

アセットコルサはオンライン方式は良く分からないので出ていません(笑)

自分のドライビングについてはいかがでしょうか?

コーナーへ入っていくときの向きの変え方と、車を前に進めるやり方は良いとはいわれます。

あとフロントタイヤを削る走りをすることはないかなと思います。特にアンダーステアが凄い嫌いですね。コーナーのアプローチは、コース幅を可能なだけ広く使うようにしています。コースを覚える時は120%くらいでいきなり走り始めて、どんどん事故ってスピンして、それで「あ、ここ使えるな」みたいな感じで覚えていくシミュレーター走りをしています。

iRacingはオフトラック(コース外走行をするとタイム抹消)というルールがありまして、その基準がバラバラと言うか適当なので、「実はここ走れた」とか、「実はこの縁石乗れた」とか、そういうのが結構見つかるんですよ。そういうのもあってガンガン攻めて使えるとこ覚えていくっていう感じでやってます。

あとこれは改善点ですが、操作がたまにすごく荒くなるんですよ。特にハンドルの操作が凄いカクカクしてしまいますね。

それと最近はシミュレーターのセット屋さん(マシンセッティング制作)を始めたので、万人向けのセットを作れる様に試行錯誤しています。

-今後の展望について教えてください。

eスポーツ大会は、今度の12月にあるのでそれに向けて頑張ります。できるだけいろんなレースに参加して目立って、いい成績を残すのが自分の目標ですね。

あとiRacingのセット屋さんを始めたので、そちらも頑張ってやっていきます。最近はVtuberとしても活動を始めて、色々とチャレンジしています。

あまり日本のiRacingではされていないことをやってるので、どういう結果に転ぶか分からないですけど、ベストを尽くして頑張っていきたいです。

シムレース全体は、今年はコロナがあり、4月とかものすごいシミュレーター白熱具合でしたよね。iRacingの中だけの話なのですが、去年の段階だと「来年iRacing大丈夫か?」みたいな感じだったんですよ。スポンサーがプロシリーズから抜けたりだとかで心配されてたのですが、コロナの影響があり、これだけボーンって一気に白熱したんです。誰も予想できなかったブームがいきなり来て、色んな問題点が出て来たと思うので、次のいつ来るか分からないブームに向けて改善して行くための準備期間に入ったのかなと言う感じはあります。

なので、Vtuberやセット屋さんを始めるのも、次のシミュレーターブームのための準備活動でもあります。
他のeスポーツのジャンルだとゲーム配信とか大会に出てeスポーツ選手としてだけで生活してる方もいらっしゃると思うんですけど、日本のシミュレーターでeスポーツだけで食べていける方はまだいないと思うので、配信とかセット屋さんで食べていけるのでしたら、そういう前例を作って次に続いてくる方の例になれればと思っています。

-最後に一言お願いします。

シミュレーターは色々な楽しみ方があり、実車に向けてもいいですし、eスポーツに向けてもいいですし、趣味として楽しんでいっても良いと思います。他のジャンルのゲームだと、例えば格闘ゲームとかFPSとかはリアルとは別方向に向かえると言うか、現実を越えることができるんですけど、シミュレーターはリアルって言うのが前提になっているので現実と密接に繋がってるんですよね。その中でバーチャルでしかできないこともあり、いろんな楽しみ方もあるので、自分に合った楽しみ方を見つけて楽しんでもらえればと思います。いつでもどこでも誰とでもレースシムっていう感じで(笑)

もし興味があったら、宣伝になるんですけど、僕のYoutubeチャンネルでも覗いていただければと思います。

Sota

Eスポーツレーシングドライバー
・名前:武藤 壮汰(ムトウ ソウタ)
・年齢:21
・主に使用している機材:ホイールベース Simucube2 Sport, ステアリング Cube Controls Formula Pro, ペダル CSL Elite Loadcell
・主に使用している車種:Ford GT, GT3, GTE
SNSアカウント
Sota Muto Twitter:@sota_racing68
レイスシム子 Twitter:@Racesim_Ko
レイスシム子 Youtube: https://www.youtube.com/channel/UCfyukvzB6bn_Ry8CFBQCAtw
Discord : https://discord.gg/P9kZvBT
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